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小児矯正の重要性

近年、成人矯正が当然のように多く行われるようになっていますが、矯正治療を行うにあたって本当に重要なのは幼少期の頃の歯並びだということをどれだけの方がご存知でしょうか?

本来、矯正歯科において、小児咬合誘導(小児矯正)は、歯槽骨形態や骨格を変えるもの
成人矯正は、歯並びを変えるもの

つまり
成人矯正は、骨格パターンに合わせて行う直す治療
小児矯正は、将来なるだろう歯並びを想像して、過剰な所は抑制し不足している所は促進させるように咬合誘導を行い、歯並びのくずれを予防する治療
ということです。

このように同じ矯正治療でも概念と意味合いが異なるものなのです。

小児咬合誘導
  • 小児咬合誘導
  • 小児咬合誘導
成人矯正
  • 成人矯正
  • 成人矯正

お子様の歯はこのような歯並びではありませんか?

CLASSⅡ 上顎前突 CLASSⅠ 叢生.乱ぐい歯 CLASSⅢ 下顎前突

High Angle

High Angle

Low Angle

Low Angle

CLASSⅠ 叢生.乱ぐい歯

High Angle

High Angle

Low Angle

Low Angle

歯並びは大きく分けると上記のように分類ができます。
ではなぜ一人ひとりがこのような違った歯並びになるのでしょうか?

「歯の萌出前」、実はこのタイミングこそが極めて重要な鍵を握っていることがわかってきています。
また上記の歯並びのままお子さんが成長していくと、将来お子さんの歯並びはこのようになることが想定されます。


CLASSⅡ 上顎前突 CLASSⅠ 叢生.乱ぐい歯 CLASSⅢ 下顎前突

High Angle

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CLASSⅠ 叢生.乱ぐい歯

High Angle

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Low Angle

本来、きれいな歯並びのためには健全な口腔機能の発達が欠かせないものですが、口腔機能の発達には「吸啜運動」「咀嚼運動」が大きく影響しています。

歯の萌出前に必要とされる正しい舌の位置、適切な舌圧、口唇圧、この3つが健全に獲得できないことで吸綴運動と咀嚼運動の障害を起こし、歯並びに影響が出てきます。

吸綴運動・・・
赤ちゃんがおっぱいを吸うこと
吸綴反射は新生児に見られる原始反射のひとつで、指などを赤ちゃんの口の中に入れると吸い付く反応。
新生児の口の中に指を入れるとおっぱいを飲むときのようにチュチュと力強く規則的に指を吸う吸綴運動がみられる。

咀嚼運動・・・
食べ物を前歯で噛み切り、奥歯で噛みつぶす動き

これらの運動は赤ちゃんや小さなお子様にとって本来ごく自然なことで、正しい「吸啜運動」「咀嚼運動」ができること、これらが先々の歯並びにおいて重要になってくるのです。

そして、この正しい「吸啜運動」「咀嚼運動」ができるようになるためには正しい舌の位置、適切な舌圧、口唇圧が必要になります。
これらが正常に機能して、始めて正しい吸綴運動や咀嚼運動が獲得されます。

上記運動機能の低下が騒がれている昨今では、小児矯正における治療方針は下記のように変わりつつあります。

今までの治療方針

今までの治療方針

これからの治療方針

これからの治療方針

正しい舌の位置、適切な舌圧、口唇圧を得るために

では正しい舌の位置、適切な舌圧、口唇圧を得るためには、どのようなことに注意をしたほうが良いのでしょうか?

幼児期において舌の役割はとても大きいものです。舌が口蓋を押し上げることで、正中口蓋縫線(せいちゅうこうがいほうせん)が広がり、適切な骨の成長が行われます。

当院では幼少期における口腔機能の発達を4つのステージで分類し、それぞれのステージでの最適なトレーニングと注意点をご案内しています。

正しい舌の位置

口腔機能の発達のステージ
  • 1.無歯期 0~7ヶ月
  • 3.奥歯期 1.5才
  • 2.前歯期 1才
  • 4.完成期 3才
1.無歯期 0~7ヶ月 3.奥歯期 1.5才
  • 吸綴反射による母乳の飲み込み運動
  • 口唇と顎の動きは顕著でなく、が活発に動く
  • 6ヶ月で吸綴運動は無くなり、スプーンからの食べ物の取り込みが可能になり、離乳食が開始される
  • 第一乳臼歯が生え始めるため、奥歯を使った噛む動きがでてくる
  • 口唇、舌、顎との連動によって咀嚼運動が生まれる
  • 噛み潰し運動が上達するが、すりつぶしはうまくできない
  • 食べ物の大きさや硬さは、臼歯歯根膜の圧受容器から脳に送られ、咀嚼力や回数が調節される
2.前歯期 1才 4.完成期 3才
  • 顎堤の高さが増し、舌が口のなかに収まって動きやすくなる
  • 口唇と舌の動きが分離し、舌で食べ物を押しつぶすことができる
  • 舌で切歯乳頭付近(切歯孔)を押しつぶす運動
    →三叉神経に刺激を与える
    口蓋を押し広げる
  • 「手掴み食べ」
    手と口を使用して食べることで脳に刺激を与える
  • 前歯で噛みちぎることができる
  • 2才半ごろには第2乳臼歯を含めた全乳歯列が完成する
  • 食べ物のすりつぶしが可能になり、殆どの食品が食べれて咀嚼力が増大する
  • 上下の奥歯が咬合することで咀嚼リズムが獲得され硬さのあるものが食べられるようになる
ステージに合わせた最適なトレーニングと注意点
1.無歯期 0~7ヶ月
  • 母乳を飲むときに乳輪が見えるか見えないか →見えてしまう場合は、口唇力が弱い
  • 人工乳の場合は15分で1本飲む →しっかり吸い込まないのにミルクが出てきてしまうと口唇と舌の圧力が弱くなる
  • 離乳食 6ヶ月 スプーンで与える時には、こすり付けずに自分で上口唇を使って飲み込むようにさせる →上口唇を鍛える
  • ハイハイ運動で手、首、肩などを鍛える
  • 色々なものを咬ませて大きさを確認させる

人工乳などで正しい吸綴運動ができない場合、正しい咀嚼運動に移行しない

そのためのトレーニング用哺乳瓶

そのためのトレーニング用哺乳瓶

2.前歯期 1才 3.奥歯期 1.5才 4.完成期 3才
  • 食べ物の大きさに注意する
  • 舌力を鍛える
  • 五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を使って物を食べる
  • 口唇を閉じて左右を使って食べる
  • いきなり硬いものを食べさせない
  • すりつぶしが必要なもの(タコ、お餅、ステーキなど)は与えない
  • すりつぶしが必要なものを食べさせる
  • 1口20回噛んでから飲み込む

3歳児までに口腔機能の発達が決まる

小児矯正においてはそれまでの間に治療が必要になってきます。もし、しっかりとした治療ができていない子どもは将来歯並びが悪くなる可能性があります。一度悪くなった歯並びの状態では、歯並びを治してからでないと口腔機能発達のためのトレーニングを行っても効果が少ないので注意が必要です。なお、3歳を過ぎて歯並びに問題がある場合、下記にご案内しています『ペコパンダ』と『りっぷるとれーなー』を用いた治療法をお勧めしています。6歳からは拡大床治療と『ペコパンダ』『りっぷるとれーなー』『マウスピースタイプの総合治療装置』による治療を行います。

そのためには検査とトレーニングが必要

正しい検査とトレーニング方法

舌の位置と舌圧の改善(舌圧測定とトレーニング法)

舌圧測定とトレーニング法

口唇圧の改善(口唇圧測定とトレーニング法)

口唇圧測定とトレーニング法

りっぷるトレーナー1

りっぷるトレーナー2

正しい舌の位置及び舌圧と口唇圧トレーニング(総合治療装置)

正しい舌の位置および舌圧と口唇圧のトレーニング装置

このように必要な時期に必要なトレーニングを行うことでお子様の歯並びを健全な状態にしてあげることが可能になります。ただし、小児矯正においては、成長により状態が異なりますので、必ずしもこれらの治療法だけで終了するわけではありません。小児矯正だけで終了するお子さんもいれば、その後成人矯正が必要になることもあることをご理解頂ければと思います。

最後に、こちらは実際の治療例のご紹介です。

症例紹介

※画像をクリックすると拡大します。

  • 装置装着前
  • 装置装着後

(左:装置装着前 右:装置装着後)

  • 術前
  • 術後

(上:術前 下:術後)

【小児】

リスク:

  • ブラッシングしていないと虫歯・歯周病になる可能性があります。
  • 装置による発音障害があります。
  • 痛みがともなうことがあります。

期間:約4年
治療費:350,000円~(税別)
チェック費用:一回1,000円×治療期間(税別)
頻度:月に1回程度

Class1 叢生①
  • 小児のケース Class1 叢生①
  • 小児のケース Class1 叢生
Class1 叢生②
  • 小児のケース Class1 叢生②
  • 小児のケース Class1 開咬
Class2 上顎前突(出っ歯)①
  • 小児のケース Class2 上顎前突(出っ歯)①
  • 小児のケース Class2 上顎前突(出っ歯)①
Class2 上顎前突(出っ歯)②
  • 小児のケース Class2 上顎前突(出っ歯)②
  • 小児のケース Class2 上顎前突(出っ歯)②
Class3 下顎前突(受け口)①
  • 小児のケース Class3 下顎前突(受け口)①
  • 小児のケース Class3 下顎前突(受け口)
Class3 下顎前突(受け口)②
  • 小児のケース Class3 下顎前突(受け口)②
  • 小児のケース Class3 下顎前突(受け口)②

お子様の歯並びで悩んでいる、または将来的に悩まないようにしてあげたいとお思いの親御様、まずは一度当院にお気軽にご相談にいらしてください。

矯正治療にとどまらない「咬み合わせの総合治療」も行っています